「みやぎ鎮魂の日」あいさつ

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「みやぎ鎮魂の日」全校集会 校長あいさつ
 これからお話をしますが,震災のことは思い出したくない,聞きたくないと思う人がいれば,無理に聞かなくてもいいです。静かに耳をふさいでください。
 今から8年前,2011年3月11日,東日本大震災がありました。もちろん,この中にはまだ生まれていない人もいます。6年生のみなさんでも,はっきりした記憶がないかもしれません。しかし,8年前,この東松島市をはじめ,たくさんの町を襲った地震や津波のことは,知っていてほしいのです。

 あの日,私たちの想像をはるかに超えた大地震と巨大津波によって,かけがえのない家族,友人,ふるさとの街並み,大切な家をなくした人がたくさんいました。私たちの東松島市でも,1,133人の方が亡くなったり行方不明になったりしました。家も11,000軒以上が大きな被害を受け,一部損壊を含めると97%,つまりほとんどの家が被害を受けたことになります。電気やガス,水道も使えなくなり,この矢本東小には約1,500人の方が避難してきたと言われています。みなさんはなかなか想像できないでしょうが,もしも電気や水道が使えなくなったとしたらどうしますか。そんな生活は考えられませんよね。
 宮城県では,震災で犠牲になった方々が,天国で安心して静かに安らかに私たちを見守ってほしいという願いを込めて,毎年,この東日本大震災があった3月11日を「みやぎ鎮魂の日」としました。
 この日は,私たちが命としっかり向き合う日です。そして,ふるさと東松島市と向き合う日でもあります。みなさんも辛い思い出なので,無理に思い出したり考えたりする必要はありません。忘れることも必要です。しかし,私たちはこの日を伝えていく勇気も必要なのです。今日ここでこうして集まったこと,祈ったことを心のどこかで覚えていてほしいと思います。
 矢本東小学校のめあては,「みんなが楽しい学校」です。そして,「夢や感動をもって力強く進んでいくこと」です。それを実現するためにも,特に「命やふるさとの大切さ」,「友達を傷つけないこと」「優しい心で友達と仲良くすること」などを,この3月11日には改めて考えてほしいのです。

 次に,今後またあのような震災が起こったらどのようにしたらよいか,特に避難訓練について考えてみましょう。校長先生がいつも言っているように,「避難訓練は100点か0点しかありません。」99点でもダメなのです。たった一つのことができなかったために,大切な命を失うことだってあるのです。東小では,年に数回しか避難訓練を行っていませんが,あるところでは,1年間に約180回もの防災訓練をしているところがあるのです。つまり2日に1回は行っていることになります。それは,どこだと思いますか?
 それは,東京ディズニーランドやディズニーシーです。ディズニーランドの避難訓練のめあてはたったひとつだけです。それは,「大きな地震や津波や火事などが起こった時は,一人一人が判断し(考え),素早く対応(行動)すること」なのだそうです。つまり,その時によってどんな災害になるか分からない,それでも,その時に一番よい方法を見付けて素早く行動することが大切で,それを身に付けるには何回も何回も訓練が必要ということです。実際に,東日本大震災の大地震の時,従業員はお客さんに売り物のぬいぐるみを渡し,頭や体を守ってもらったそうです。それがなかったら,もっと多くの人がけがをしていただろうと言われています。だから,みなさんもいつ,どんな場所で地震や津波が起こっても,一人で逃げる力をつけなければなりません。1年生,2年生のみなさんもです。

 震災以降,私たちの町には多くの方が支援ボランティアとしておいでいただきました。それは,震災から8年が過ぎた今でも続いています。そういった人達の温かな気持ちと支えに,私たちは常に感謝の気持ちをもって,力強く歩んでいかなければなりません。
 震災で多くの人や町が傷つきましたが,希望を失わず,みんながひとつになって行動すれば,できないことはありません。東松島市も他の町も,震災前よりももっとすてきな町にしようとがんばっています。いつかは,みなさんもそういった人たちと一緒にこの町をつくっていく一人になるのです。
 3月11日は毎年やってきます。震災のあった町に生まれ,暮らしている私たちは,ぜひこの日を,ふるさとや自分自身を見つめ直す日,そして,「よし,がんばろう!」と気持ちを新たにする日にしてほしいと願っています。みなさんがそういった気持ちをもって,みんなが楽しい学校生活を送ってくれるよう期待し,お話を終わります。

平成31年3月11日